「の研究では~」という文献にスタンフォード大学の名前がよく出ますよね。
このスタンフォード大学は、Google・Apple・インテルを生み出し、IT企業が集まる一大拠点シリコンバレーを作った大学なのです。
今回は、「優秀な学生に最高の職場を与えること」を理想とし、IT企業が集まるシリコンバレーを作ったスタンフォード大学のフレッド・ターマンについて紹介していきます。
フレッド・ターマンとは?
シリコンバレーの生みの親
フレッド・ターマンは、第二次世界大戦中に無線工学を軍事利用し、連合国のレーダー妨害装置を開発してナチスドイツ空軍からの攻撃を防いだ人物でした。
ターマンは電気工学の専門家で、アメリカ北東部にあるマサチューセッツ工科大学で教職をするつもりでしたが肺病のため諦め、アメリカ西海岸にあるスタンフォード大学の工学部長に就任しました。
当時のアメリカでは、若者が東海岸(都会)へ行ってしまい西海岸側に優秀な若者がいなくなってしまうことを問題視しており、スタンフォードが電気工学で有名なターマンを呼び東部への人材流出を防ぐように協力を求めたのです。
ターマンの取った戦略
まずターマンは、学生の流出を防ぐためにスタンフォード大学は知識だけを教えることを止め、実用に向けた応用研究センターを作るようにしました。
- 著名な教員を集めて大学院を作る
- パロアトロにある4000haの土地を使えるように許可を求める
- 多くの先端技術を持った企業を誘致するように求める
ターマンは、スタンフォードに3つの条件を即実行するように求めました。
その結果、のちのシリコンバレーに繋がるスタンフォード・リサーチパークを作り上げNASA・GE・コダックといった大手企業の研究所を誘致していきました。
最先端技術を持つ企業を誘致をした理由
若者は、技術を勉強して東海岸(都会)へ行くのですが、人が多くてなかなか職に就けないことが問題になっていました。
そこでターマンは、スタンフォード大学のある西海岸カリフォルニアに最先端技術を持つ企業を誘致し、優秀な学生が卒業した後に最高の環境で仕事ができるようにしたのです。
スタンフォード大学から生まれた有名企業
引き合わせた生徒同士で会社を設立
ターマンが教育環境を整えたことで、スタンフォード大学の生徒がたくさんの企業を作り出しました。
ターマンが、教え子であるヒューレットとパッカードを引き合わせたおかげで、電気・電子計測器メーカー『HP』が生まれることになりました。
- 『HP』社からApple共同創業者ウォズ二アック
- インテル創業者のノイスとムーア
- yahoo創業者のデビット・ファイロとジェリー・ヤン
- Googleのラリー・ペイジとセルゲイ・ブリン
など現代のIT企業に欠かせない人材がスタンフォード大学から生まれました。
起業しても成功するのはひと握り
失敗してもチャレンジする精神
シリコンバレーから数百の企業がNASDAQで株式公開をしますが、9割以上の会社は数年で登録取り消しになってしまいます。
失敗確率は、99.9994%になります。
学者たちからは多産多死モデルと非難されましたが、ターマンは教え子たちにダメなら次に挑めばいい、失敗はひとつのポジティブな経験でしかないと伝えます。
ターマンの教え
『注意したまえ諸君、今この世の中を揺り動かしているのは決して学識豊かな学者ではないのだ。かえって何も知らない連中のほうが革新の旗手足りえているのだ。君たちも油断したらすぐに追い抜かれるぞ!』と激励しました。
この言葉に影響を受けた多くの若者たちは、失敗を恐れずドンドン挑戦していくことになります。
スタンフォード大学に呼ばれたターマンは、シリコンバレーを生み出し、現在では、Facebook・テスラ・PayPalなど多くの先端IT企業が7000も集まっています。
最後に
今回は、「優秀な学生に最高の職場を与えること」を理想とし、IT企業が集まるシリコンバレーを作ったスタンフォード大学のフレッド・ターマンについて紹介しました。
東海岸(都会)へ若者が行ってしまうことで西海岸側に優秀な若者がいなくなってしまうことを問題視したスタンフォードが電気工学で有名なターマンを呼び東部への若者の流出を防ぐように協力を求めました。
ターマンは、スタンフォード大学のある西海岸カリフォルニアに最先端技術を持つ企業を誘致し、優秀な学生が卒業した後に最高の環境で仕事ができるようにしたおかげで優秀な生徒をたくさん輩出しました。
また4000haの土地周辺が現在のシリコンバレーになり、Facebook・テスラ・PayPalなど多くの先端IT企業が7000も集まるようになりました。