視聴者がタダで文化に触れて楽しめるようになった『広告モデル』

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TVやラジオなど番組スポンサーの始まりは、タバコ会社のペイリーが買収したCBSラジオが始まりだったんです。

ペイリーが番組にスポンサーを取り入れる『広告モデル』を作ったおかげで、わたしたちはTVやYouTubeなどタダで番組を見れるようになったのです。

今回は、CBSのペイリーによって消費者が1円も払わずに良質のコンテンツを楽しめる『広告モデル』が誕生し、現在に引き継がれていることを紹介していきます。

目次

タバコ会社がラジオ局を買収する

ラジオ広告の効果は絶大

アメリカのタバコ会社の御曹司だったウィリアム・ペイリーは、父親が興したタバコ会社の副社長をしていました。

あるとき、ペイリーは、タバコの広告宣伝キャンペーンで大成功を収めました。

広告の中でも特に効果があったのが、ラジオでした。

ラジオ

ラジオ広告の重要性に気付いたペイリーは、1927年フェラデルフィアの経営難に陥っているラジオ局「CBS」を買収しました。

自社でラジオ番組を作って、地方局に無料で使わせる

ペイリーは、CBSで番組を制作し、地方のラジオ局に無料で提供しました。

ペイリーが出した、番組無料提供についての条件は「広告主がついているスポンサー番組は決められた時間に流すこと」だけでした。

当時の地方局は、番組を主要局から買い付けて放送していたので、無料で番組をもらえることは、メリットしかありませんでした。

CBSは番組が有名になり、地方局は製作費が浮いて助かり、広告主は放送する局数が増えるのでみんなが得をしました。

全米を網羅する大ネットワークへ

放送局は16局から114局へ成長

ペイリーによる番組無料提供に、地方局は飛びつき加盟局は増大します。

1928年には、わずか16局でスタートしたCBSは大恐慌をものともせず、1937年には114局の加盟局で全米を網羅する大ネットワークに飛躍しました。

その結果、大手広告主からの問い合わせが増え、コカ・コーラなどの有名企業が広告主になったのです。

コカ・コーラ

ペイリーは、いい番組には自然と多くの人が集まり聴くことを知っており、広告主へ営業するのではなく大手広告主からCBSへ依頼してくることを目指していたのです。

ニュース番組にスポンサーを付けるのも初

スポンサーを付ける文化を作る

ニュース番組にスポンサーを付けたのもペイリーが初めてでした。

ラジオ局は、AP通信などからニュースを買ったものを流すだけでしたが、ペイリーは独自の報道部隊を1930年に立ち上げ、成功します。

報道部隊

それまでは、「ニュースを知りたければ新聞を買う」が当たり前の世の中でしたが、ニュースを自社で作り、広告主に製作費を出してもらう仕組みを作ったのです。

広告モデルの誕生

こうして、CBSのペイリーによる消費者は1円も払わずに良質のコンテンツを楽しめる『広告モデル』を生み出しました。

広告主が番組制作費を出して無料コンテンツを提供し、楽しみながら広告を見た消費者が「欲しいものを買う」という現代につながる文化が出来上がりました。

ペイリーは広告主のニーズにも敏感だった

広告枠を小さく切り売りする

ペイリーは、もっともっとスポンサーになりたい企業がいるはずだと気付きました。

1940年代に入ると、ラジオ放送枠をそれまでの30分や60分の枠から、5分~15分刻みで売るようにしました。

新規スポンサーが参入しやすい環境

今まで広告費が高くて放送枠を買えなかったスポンサーも、放送時間が少なくなると広告単価が安くなり、簡単に広告主になれるようになりました。

最後に

今回は、CBSのペイリーによって消費者が1円も払わずに良質のコンテンツを楽しめる『広告モデル』が誕生し、現在に引き継がれていることを紹介しました。

ペイリーはラジオ広告の可能性にいち早く気付き、質の良い番組を地方局に無料提供して影響力を強め、広告主へ営業するのではなく大手広告主からCBSへ依頼してくることを目指しました。

また、「ニュースを知りたければ新聞を買う」が当たり前の世の中を変え、ニュースや番組を自社で作り広告主に製作費を出してもらう仕組みを作ったのです。

こうして、CBSのペイリーは、消費者が1円も払わずに良質のコンテンツを楽しめる『広告モデル』を生み出しました。

現代では、当たり前になっている「TVCM」や「YouTube広告」もタバコ会社の御曹司が、生み出した広告モデルがもとになっていたのです。

身近なモノの裏側を知るって楽しいですよね。
明日からCM広告を見るときは、ペイリーのことを思い出してみてくださいね♪

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