店舗で実物をみてネットで買う『ショールーミング』に対抗した米老舗百貨店メイシーズに学ぶ『オムニ・チャネル』とは?

オムニチャネル

店舗で商品をみて、最安値のネットショップで購入をすることってありますよね。

この店舗で実物をみてから、買わずに家に帰って他社のネットショップで購入することを『ショールーミング』と呼びます。

今回は、アメリカの老舗百貨店メイシーズが行った『ショールーミング』対策『オムニチャネル』について紹介していきます。

目次

ショールーミングをされると店は苦しくなる

立ち読み

店舗で実物をみてから、買わずに家に帰って他社のネットショップで購入することを『ショールーミング』と呼びます。

本屋によって、立ち読みだけして後で電子書籍を買うのもショールーミングですよね。

ショールーミング

ヤマダ電機もダメージを受ける

日本では、売り上げ2兆円弱と業界ダントツTOPであったヤマダ電機の2013年度売り上げは赤字になりました。

理由は、競合のリアル家電店だけが対象だった「安心価格保証」をネット家電店も対象にしたうえで、店長に値下げの決定権を与えたことにより、行き過ぎた値下げが起きたからです。

しかし、ヤマダ電機にダメージを与えた問題の根本は、消費者の『ショールーミング』にありました。

顧客の多くが店舗で家電商品の実物を下見して帰宅、自宅で最安値の他社ネットショップで購入するようになったのです。

一番打撃を受けたのは百貨店

いままでは百貨店でしか見れなかったようなブランド商品が、他社のネットショップで安く購入することができるようになってしまいました。

百貨店で商品をみて、最安値のネットショップで購入をすることが当たり前になってしまい、さらに百貨店の売上の中心であったアパレル商品を求めていた顧客がZARAやユニクロなどのファストファッションに奪われてしまったからです。

百貨店

百貨店は、売り上げの2本の柱をネットやファストファッションに奪われてしまったので一番ダメージを食らってしまったのです。

『オムニ・チャネル』で対抗したアメリカの老舗百貨店メイシーズは1人勝ち

メイシーズだけは売り上げUPしていた

百貨店業界が、ショールーミングやファストファッションの影響を受け15%近く売り上げを落としていく中、アメリカの老舗百貨店メイシーズは売り上げを20%も上げていました。

メイシーズは、ショールーミングに対抗するために2011年に『オムニ・チャネル』というビジネスモデルを作り上げたからです。

オムニ・チャネルとは

オムニ・チャネルとは、メイシーズのリアル店舗で見た商品を自社ネットショップで買えるようにして、自社ネットショップでお得な情報をゲットしたお客がリアル店舗で購入するシステムです。

自社のオンラインストアを強化することで「オンラインからリアル店舗への送客」と「リアル店舗からオンラインへの誘導」をスムーズにしました。

その結果、メイシーズのオンラインストアの売り上げは前年比40%アップし、リアル店舗の売り上げは5%アップしたのです。

オムニ・チャネルにも弱点があった

オムニ・チャネルのデメリット

メイシーズは、『オムニ・チャネル』というビジネスモデルで危機を乗り越えましたが、オンラインストアを常時強化し続けること、リアル店舗へ多くの人員配置が必要になり改革を行うことはとても複雑でした。

2012年メイシーズは、世界最大の靴の売り場をオープンさせました。
5800㎡に30万足を集めファッション品の中で試し履きをしないと売れない「靴」をリアル店舗の核にするべく4億ドル(約443億円)も設備投資をしました。

そのため、メイシーズは広い売り場へ配置する人件費や店舗の教育に手が回らなくなり、2015年以降大幅に業績悪化し、2016年には100店舗の閉鎖、1万人の従業員削減をすることになりました。

失敗

オムニチャネルは進化する


メイシーズは、経営難から2023年までに125店舗を閉鎖して2000人の従業員を削減することを発表しました。

その後、オムニ・チャネルというビジネスモデルを『顧客時間型オムニ・モデル』に進化させて成功したのは日本の無印良品とZOZOTOWNでした。

最後に

今回は、アメリカの老舗百貨店メイシーズが行った『ショールーミング』対策『オムニチャネル』について紹介しました。

店舗で実物をみてから、買わずに家に帰って他社のネットショップで購入することを『ショールーミング』と呼びます。

百貨店業界が、ショールーミングの影響を受け15%近く売り上げを落としていく中、アメリカの老舗百貨店メイシーズは『オムニ・チャネル』というビジネスモデルを作り上げ業績を20%も上げていました。

オムニ・チャネルとは、メイシーズのリアル店舗で見た商品を自社ネットショップで買えるようにして、自社ネットショップでお得な情報をゲットしたお客がリアル店舗で購入するシステムです。

いまでは欠かせない『ショールーミング』に対抗してメイシーズが作った『オムニ・チャネル』というビジネスモデルは進化し続けて、日本の企業にも引き継がれることになります。

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