問題解決のために他人の知恵を集める『オープン・イノベーション』とは?

オープン

「三人寄れば文殊の知恵」ということわざがありますよね。
一般企業や組織の努力によらず、幅広い参加者を募って問題の解決を図ることを『オープン・イノべーション』と呼びます。

大手企業P&Gでは、自社開発のテーマをネット上で公開し、外部からの技術やアイデアを求めており、新製品の5割は自社以外のアイデアから生まれています。

今回は、自社開発テーマが競合他社にバレるマイナスより、外部の意見・技術を大事にする『オープン・イノべーション』について紹介していきます。

目次

オープン・イノべーションとは?

ヒトの知恵を集める

一般企業や組織の努力によらず、幅広い参加者を募って問題の解決を図るのがオープン・イノべーションです。

オープンイノベーション

自社の開発テーマが競合他社にバレるマイナスよりも、衆知を集めて素早く商品開発をすることのほうがプラスになるのです。

外部からの技術のほうが、自社だけで開発するよりも専門性があって効率が良くなります。

「味の素」もオープン・イノベーションしている

日本企業では、味の素がアミノ酸を中核とするコア技術を世に公開し、提携・共同開発することで新しい価値を作り出そうとしました。

味の素は2012年、東レ・ブリジストン・花王と共同開発を目指し提携しました。

  • 東レ:植物原料からナイロンを作る共同研究
  • ブリジストン:植物由来の合成ゴムの共同開発
  • 花王:健康診断による生活習慣病予防などの共同事業

自社だけではなく、他社を幅広く巻き込むオープン・イノベーションはビジネスモデルの大きな変更点になりました。

シュレッダーで切り裂いた文書の復元もオープンイノベーションで解決

難しいことも知恵を集めて解消

最近では、特定の問題解決に賞金を出す方法としてオープン・イノベーションが使われることが多くなりました。

シュレッダー

アメリカ国防省の国防高等研究計画局は、シュレッダーで切り裂いた5点の文書を復元できるかに賞金5万ドル(約554万円)をかけました。

この問題解決には、アメリカだけでなく世界中から約9,000チームが集まり参加したのです。

IT技術と人海戦術

1万片に切り刻んだ文書の復元は、とても難しいものだと懸賞をかけた国防省も思い込んでいましたが、サンフランシスコの匿名チームが33日間で達成しました。

時間当たり600人と、最新のアルゴリズムを投入し、人海戦術と最新IT技術の合わせ技で、見事文書を復元したのです。

アルゴリズム

自分たちだけでは、とてもできないような問題も、外部の技術がうまくマッチすると恐ろしいスピードで解決できるようになるのです。

競泳水着の開発もオープン・イノベーション

競泳界で一世を風靡したSPEEDOのレーザー・レーサーの水着もオープン・イノベーションを活用して生まれた商品です。

世界中の技術を集めた水着

「速さ」に絞った開発を自社研究所であるアクアラボやオーストリアの国立スポーツ研究所が中心となり、多くの専門家が参加しました。

  • 縫製:ポルトガルのペトラテックス
  • 生地:イタリアのメイテックス
  • ジッパー:日本のYKK
  • 抵抗の測定:アメリカのNASA

各国の技術を結集して生まれたのが、抵抗が少ない速く泳げる水着だったのです。

最後に

今回は、自社開発テーマがもれるマイナスより、外部の意見・技術を大事にする『オープン・イノべーション』について紹介しました。

オープン・イノべーションとは、一般企業や組織の努力によらず、幅広い参加者を募って問題の解決を図ることでした。

自社の開発テーマが競合他社にバレるマイナスよりも、衆知を集めて素早く商品開発をすることのほうがプラスになるのです。

P&Gや味の素などの企業は、自社の開発テーマが競合にバレても良いというスタイルで他社技術を取り入れて開発しているのです。

大企業であってもできることには、限界があります。
「三人寄れば文殊の知恵」ということわざのように、人が集まることによってすごい技術が生まれるのです。

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