クレジットカードって便利ですよね。
現金を触らずに決済ができるので、スピーディだし持ち運びも簡単ですよね。
今でこそ当たり前のクレジットカード文化ですが、1950年代には十数の金融機関がクレジットカードを発行しており使える店、使えない店があったんです。
今回は、多くの場所で気軽に使えるようになったクレジットカード文化は、アメリカの会社「VISA」がつくり大きく広めたことを紹介していきます。
クレジットカード誕生の背景
ツケで払えるクレジットカードの登場
どこでも、なんでもツケで買えるクレジットカードは、第二次世界大戦後の復興特需をつかんだアメリカで生まれました。
ツケで払えるので消費者はバンバンとモノを買うようになりました。
多くの信販会社が生まれ、消費者は分割で商品を買いまくりました。
十数個の金融機関もクレジットカードを発行する時代で、いろいろなカードがあるので使える店舗、使えない店舗があり、どのクレジット会社も大きく成長はしていませんでした。
VISAカードを作ったバンク・オブ・アメリカ
クレジット会社が乱立する中、現れたのがバンク・オブ・アメリカ(以下バンカメ)によるバンカメリカードです。
バンカメリカードは、「利用者にとってどこでも使える」ことを重視して、他社ができないほどの莫大な投資を行います。
加盟店を増やすことによって利用者が増え、加盟店での売り上げにつながる「ネットワーク効果」を期待していました。
バンカメリカードは、成功してのちのVISAカードになりますが、スタートはうまくいかなかったのです。
バンカメリカードは失敗続き
予想が大きく外れた運用実験
どこでも使えるを理想に掲げたバンカメは、投資を続け1959年ロサンゼルスで実験的に行った立ち上げに失敗します。
理由は、滞納者が予想の4%に対して22%で5倍以上いただけでなく、大量のクレジットカード詐欺に見舞われ約2000万ドル(約720億円)の損失をだしたのです。
まわりが笑う中、バンカメリカードはあきらめませんでした。
バンカメリカードの浸透
失敗をしてしまったバンメリカードですが、失敗から学び投資を続け事業展開をして多くの国で使えるようになりました。
1976年には、より国際的なイメージを獲得するため『VISA』へ社名とブランド名を変更しました。
VISAカードの利点
消費者にはメリットばかりのVISAカード
VISAカードはこれまでのクレジットカードと比べてメリットがたくさんありました。
- 利用者にとって手数料・会費が低額(無料が多い)、用途が自由
- 加盟店はクレジットカード会社に手数料(3%~10%)を取られるが、顧客サービスにつながり参加業種が増えた。
- カード発行者にとってクレジット収入が得られる(ポイントなど)
- 巨大な専用ITネットワークを必要とする装置型事業
とくに1では、クレジットカードを一般顧客向けに無料で広くばらまき、小売店などのビジネス側への課金で収益を上げるというフリーミアムモデルになっているので消費者にはメリットばかりでした。
クレジットカードは個人決済の15%~45%を占めている
現在のクレジットカード利用率は、国によって差がありますが、個人決済の15%~45%を占めるまでになっています。
◆クレジットカード利用率
・日本は15%
・フランスは32%
・イギリスは38%
・韓国は43%
・アメリカは45%
※三菱UFJリサーチ&コンサルティング調べ
アメリカでは半数の人間がクレジットカードを利用しており、VISAの信念は世界中で圧倒的な支持を得るようになったのです。
最後に
今回は、多くの場所で気軽に使えるようになったクレジットカード文化は、アメリカの会社「VISA」がつくり大きく広めたことを紹介しました。
今でこそ当たり前のクレジットカード文化ですが、1950年代には十数の金融機関がクレジットカードを発行しており使える店、使えない店がありました。
のちのVISAカードであるバンカメリカードは、「利用者にとってどこでも使える」ことを重視して、他社ができないほどの莫大な投資を行います。
失敗続きでも顧客のニーズを把握して投資を続けたおかげで、今では世界中でクレジットカードが広く利用される文化が出来上がったのです。