ユニクロは、だれでもきいたことのある世界的な企業ですよね。
ユニクロブランドを作り上げたファーストリテイリングの柳井会長は、ソフトバンクの孫正義を破り、フォーブスの「日本長者番付」で2020年資産額1位を記録した人物です。
今回は、アパレル企業でH&M・インディテックス(ZARA)に迫る日本企業ユニクロのビジネスモデル『超垂直統合型SPA』について紹介していきます。
ユニクロの始まり
創業者の柳井はGAPなどを視察し、カジュアルウェア専門店チェーンの展開を決意し、1949年3月 山口県宇部市にて「メンズショップ小郡商事」を個人営業にて創業します。
基本的にはシンプルで過度に個性のないデザインの商品が多いのが特徴で、ユニーク(独特)なクロース(衣服)を目指して『ユニクロ』と名付けました。
ユニクロの方向性
ユニクロは、世界で有名なアパレルブランドの多くが取る戦略「ファストファッション」という流行を追う方向性だけでなく、素材力・開発力を活かしたベーシックな大型商品で展開しました。
ファストファッションと呼ばれやすいユニクロは、流行は追いかけずに自社の商品をシンプルに自在に組み合わせて楽しんでもらう服を目指しました。
繊維業界とタッグを組む
ユニクロの大ヒット商品は、繊維会社との共同開発によって生まれています。
- 1988年にフリース
- 2006年にヒートテック
- 2008年にブラトップ
- 2010年にウルトラライトダウン
2006年には、合成繊維・合成樹脂をはじめとする化学製品や情報関連素材を取り扱う大手化学企業である『東レ』と「戦略的パートナーシップ」活動を進め一心同体でのプロジェクトをスタートさせました。
また、ユニクロ=ダサいというイメージから脱却するために、女性用衣類メーカーを買収しセンスも手に入れました。
超垂直統合型のSPA(製造小売業)とは?
ユニクロは自社グループだけで商品を作れる
SPAとは、アパレル販売業者が、企画・製造・流通・店舗での小売りまで完結させる製造小売業を意味します。
GAPが初めて行ったビジネスモデルで、ZARAなどが取り入れているビジネスモデルでもあります。
ユニクロのビジネスモデルはさらに上を行く『超垂直統合型ビジネスモデル』であり、技術開発、生産、販売、サービス提供などの異なった業務を単一の企業(グループ)がすべて担うビジネスモデルを採用しました。
ファストファッションではなく独自の商品
ユニクロのビジネスモデルは、女性用衣類メーカーの買収と繊維会社との共同開発に力を入れた『だれにも手に入らない特別な材料と機能』で勝負する超垂直統合型のSPA(製造小売業)となります。
流行を追いがちなアパレル業界の中で、ユニクロは自社開発と繊維で勝負する会社になりました。
ユニクロが重視するグローバル化
海外での成功
2001年のイギリスを皮切りに始まった海外出店は、中国、中国香港、台湾、韓国、シンガポール、マレーシア、タイ、フィリピン、インドネシア、オーストラリア、カナダ、ドイツ、ベルギー、スペイン、イギリス、アメリカ、フランス、ロシアの18か国で展開しており、グローバル化を進めました。
海外ユニクロ事業は、2006年時点でほとんどの国で赤字でしたが、2008年8月期から黒字化し、2010年8月期の売上高は前年比倍増の730億円、営業利益は前年比4倍の65億円になりました。
社員に求める英語レベル
会社組織としてもグローバル化を進めており、社内公用語(母語が異なる人が対象の資料や会議)を英語とすることとして、本社社員と店長の約3,000人に対して「TOEIC700点以上」を義務付けています。
海外進出を意識したユニクロは『超垂直統合型SPAモデル』を活かして、SPAモデルを生み出した「GAP」を追い抜き世界3位のアパレルブランドになりました。
最後に
今回は、アパレル企業でH&M・インディテックス(ZARA)に迫る日本企業ユニクロのビジネスモデル『超垂直統合型SPA』について紹介しました。
『超垂直統合型ビジネスモデル』とは、技術開発、生産、販売、サービス提供などの異なった業務を単一の企業(グループ)がすべて担うビジネスモデルのことでした。
ユニクロは、流行を追うアパレルブランドとは違い、素材力・開発力を活かしたベーシックな大型商品で展開しました。
フリースやヒートテックなど繊維業界から開発した商品は、ユニクロのビジネスを支え『だれにも手に入らない特別な材料と機能』で勝負する超垂直統合型のSPA(製造小売業)となりました。
ユニクロは世界に進出し、SPAモデルを生み出した「GAP」を抜き世界3位のアパレルブランドになりました。